パックラフトのパドルの長さは?

 

パックラフトにはカヤックと同じダブルブレードパドルを使用しますが、実は舟としての特性は大きく異なります。
ボトムがフラットで水の流れの影響を受けにくく、船体幅が広く、極太チューブで凄まじく高い浮力を備えています。また着座位置も低めな種類のボートになります。パックラフトの構造は素晴らしく高い一時安定性を得ることに繋がっており、カヤックやSUPなどに比べて遥かに転覆リスクが低く、安心して釣りを楽しむ事ができるメリットを持っています。
しかし一方で、カヤックの様なキールはありません。フラットなボトム形状で、しかも高い浮力が為にほとんど沈まず、大部分が水面に浮いた状態になっています。抵抗が小さいので、長すぎるパドルではクルクルと回転して前に進みません。

 

.

またチューブが太いので、逆に短すぎるパドルではパドリング時に姿勢が崩れてしまいます。

激流のホワイトウォーターでは195-205cm程度のパドルが使われますが、その流れでは魚は釣れません。私たちパドルフィッシャーが求めるフィールドは、ダウンリバーであった場合でも山奥の小渓流から本流域。湖を横断した先の源流。湖でのワカサギやトラウト、バス。海での様々な釣りを目的としているはずです。
その為にはゆったりと長時間、疲れずに漕ぐ事を求めます。この為には一定の長さも必要です。

 


.

様々な長さを試した結果、概ね220cm-230cm程度が使いやすいと言う答えに辿り着きました。
シーカヤックなどと異なりチューブの幅があるパックラフトでは、短いとブレードがきちんと水の中に入りきりません。
220cmの長さはそれなりの急流から、小柄な人の海や湖での使用に適しています。長身な方では230cm程度あった方が良いかも知れません。
ただ確かに横方向の抵抗が少ないパックラフトで長いパドルを使うと、クルクルと回ってしまいます。漁筏 - tsuribune - では、この問題を解決する為に工夫を施しました!

 


もともとパックラフトは川で使う為に生まれた舟で、旋回性が求められてきました。直進性はなくとも川の流れで勝手に進んでいくので、ダウンリバーでは姿勢制御と方向転換の性能が最優先されました。この為、スケグ(ボトムに取り付けるフィン)はオプション扱いで、通常スターン(船尾)側にだけ取り付けられます。
しかし釣りを行うシーンではパドリング効率は極めて重要であり、その為に前後にスケグを備えています。この効果は全長が長ければ長いほどより大きな効果を生み出します。

 

 

特に全長の長い " 大鯛 " - Sea bream - などになるとその効果は大きく、ハイアングルでのパドリングが基本となるパックラフトでありながら、ローアングル気味でのゆったりとしたパドリングでも直進的に進んでくれます。一回あたりのストロークが長くなるので、長距離を楽に漕ぐ事ができます。
こうなるとパドルの長さもそれなりに欲しくなってきます。そこで 漁筏 - turibune  - では、220-230cmのパドルを作りました!

 

 

パックラフトフィッシングに特化して作ったのがこの " 櫂 " - Kai - です。

多くのパドルはブレードがスプーン型の形状そしています。深んだ水を逃さない様にする事で、ブレードを軸に舟を前へ押し進める事ができます。しかし釣りにおいてはこの形状が致命的な欠点を生み出します。

海でトップウォーター系のルアーフィッシングをする方はご存知かと思いますが、ナブラ打ちなどに適したアピール度の高いルアーにポッパーという分類のものがあります。ルアーの先端部がカップ形状にあり、キャビテーションを発生させる事で音と振動を起こして魚の注目を集めます。


一方でイルカがいると魚が釣れないって話は聞いたことありますか?

実はイルカやシャシ、クジラも尾鰭を強く海面に叩きつけることで強烈なキャビテーションを発生させ、周囲に衝撃波を発生させます。これをテイルスラップと言います。これにより意識を失ったり、パニックを起こして一箇所に集まった魚を一気に丸呑みする、狩の為の必殺技です。
水中では空気の4倍以上のスピード、距離に至っては時に何キロにも渡って伝わります。小魚だけでなく大型青物まで恐れ慄くと言われています。このテイルスラップと酷似した音を、スプーン形状のパドルで発してしまうのです。

 

 

そこで " 櫂 " - Kai - にはダイヘドラルと言う、少し特殊なブレード形状を採用しています。
水を捉える力は少し弱くなりますが、スプラッシュによるキャビテーションが起きにくくなります。また腕にかかる負担も小さくなるので、長時間ゆったり漕ぐのに適しています。

 

.

その上で、先端部にだけ僅かなそり返りをつけています。
ゆっくり漕いでいる時はこのそり返りはあまり機能を果たしませんが、速いパドリングではそり返りがブレード表面を流れる水にブレーキをかけ。水を捉える働きをします。
例えば突然の強風によって沖に流されそうになった時、悠長にゆったりと漕いでる訳にはいきません。必死に漕いでどうにか岸に辿り着く必要があります。
当然激しいパドリングを行えばテイルスラップ様のキャビテーションは発生しますが、そこは生きて帰ることの方が重要でしょう。
安全の為、推進力を得られる形状も残しました。

 


また先ほどはゆったりと漕ぐのに230cmの長さが望ましいと言いましたが、緊急脱出時は220cmまで縮め、ハイアングルで(パドルを立てて)漕ぐ事によって推進力はずっと強くなります。覚えておいて下さい!

 

  
漁筏 - tsuribune - はパックラフトフィッシングの専門ブランドです。
パックラフトブランドにも様々なものがありますが、釣りを楽しむことに特化したパックラフト作りを行っています。

そんなパックラフトフィッシングの専門店として自信をもってご用意したパドルが " 櫂 " - Kai - です。
SUPをカヤックスタイルで使用する方などにも良いのではないかと思います。
ぜひお求め願えれば幸いです♪

 

ではまた。