パックラフトの洗い方

 

パックラフトに使用されているナイロンTPUという生地は、極めて耐久性の高い生地で、長い年月愛用し続ける事ができる優れた素材です。
SUPや二馬力ゴムボートなどに一般的によく使用されるPVCは、その多くが接着剤で結合して作られています。この為、3 ~ 5年程度の使用で劣化します。一方パックラフトの場合、ナイロンTPUを熱融解させて結合させる為、接着剤の劣化が起こりません。またPVCに比べて紫外線劣化も少ないので、5 ~ 10年と長い年月使用できます。

 

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そんなナイロンTPUにも弱点があります。
まず熱に弱い点。熱結合させているので、真夏のアスファルトや砂浜、河原など、太陽光で暑くなっている場所に長時間置くと熱融解して結合箇所が剥離する場合があります。特にマンホールなどは注意です。
また高い圧力に耐えられる生地ではないので、熱膨張も危険です。空気は熱で大きく膨張するので、高圧のまま長時間直射日光に当てるのは破裂の危険があります。使用する直前まで空気圧を高めないで下さい。

 


それ以外にもう一点。加水分解による劣化があります。もともとポリウレタンは加水分解に弱い性質があります。

TPUは一般的なPUコーティングに比べて遥かに強い加水分解耐性がありますが、常に湿気に晒せれれば当然加水分解が進んでいきます。
海でパックラフトを使用した後は、海水を確実に洗い流さないと塩分が生地の表面に残留します。この塩分は湿気を吸収し、完全に乾かしたはずのパックラフト表面に水分を寄せ続けます。これが劣化の大きな原因となります。

 

 

またカビによる侵食も深刻です。これは主に河川や湖沼で使用した後に注意が必要です。カビの原因となる微生物が多く、わずかにでも湿気が残ると、水に含まれた微生物が爆発的に増殖します。これが原因でパックラフトの生地が悪臭に侵されます。なかなか除去するのが困難なほど臭います。

またこの微生物を栄養源にカビが繁殖し、生地のコーティング内部まで侵食します。これによりコーティングの加水分解が著しく進行し、パックラフトの寿命を大幅に低下させます。

 

 

パックラフトは、適切なメンテナンスを行なったものに関しては製造から20年を過ぎても未だ現役で支えているものもあれば、僅か数年で著しく劣化するものもあります。メンテナンスを怠ると、早く寿命が来てしまいます。

 

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もっとも重要なことは水道水でしっかりと洗い流すこと。
海水は真水に溶かされることでその大部分が洗い流せます。しっかりと時間をかけて洗い流す事が重要。完全に海水が乾いてしまった後であれば、全体を水で濡らして数分してから再度洗い流すと効果的です。
また水道水には塩素が含まれている為、微生物や細菌の大部分を除去する事ができます。
しっかりと水道水で洗い流す事がまずは大切です!

 


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必ずしも毎回でなくても構いませんが、中性洗剤をつけた洗車用スポンジなどで全体を洗えるとさらに効果的です。
界面活性剤はタンパク質を分解する為、ほぼ全ての微生物や細菌を破壊できます。泡がしっかりと塩分を溶かしてくれるので、細かな隙間や繊維に染み込んだ塩分も除去してくれます。
シーズン終わりなど、長期間使用しない場合は実施を推奨します。

 


またパックラフトは大きいので、設備やスペースがある方なら屋外で洗う事が多くなるでしょう。
屋外で洗い流した洗剤は排水溝を伝って下水に流れますが、雨水菅に流れる為、そのまま河川や海に流れ出てしまいます。石油原料の中性洗剤は魚類の整体に影響を与えてしまう為、環境面の配慮から植物性の生分解性が高い洗剤をお勧めします。ヤシノミ洗剤など、どこでも手に入るものもありますので、その様な洗剤の使用をお勧めします。(尚、この写真は AI 生成です。海のめっちゃそばで洗うのは、まー良くないですね ^^; )

 

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最後に拭き上げもしっかりと行なって下さい。この工程はかなり重要です。
チューブとボトムの隙間などは乾きにくいので、タオルを使って水滴が残らない程度までしっかりと拭いて下さい。
乾く時間が短くなりますし、塩分の残留も大きく減らせます。また水道水の塩素が結晶として残ると水垢の原因となります。後から除去しにくくなるので、しっかりと拭き取っておく事が重要です。

 


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概ね拭き上げたら、立てかけて乾かします。日が当たる場所に置くと大きく空気が膨張します。破裂の危険があるので、十分に空気圧を下げて乾かして下さい。
PVCに比べれば遥かに紫外線劣化に耐性がありますが、それでもやはり紫外線によるダメージはあります。何日も屋外に放置する様なことはせず、乾いたらすぐに回収することを推奨します。しっかりを拭き上げを行なっていれば、数十分 ~ 数時間でしっかりと乾きます。できれば風通しの良い日陰だと尚良いです。

 


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収納時は優しく折り畳んで保管して下さい。
しっかりとテンションをかけてコンパクトに収納すると、折り目から劣化が進みます。折り目に負担がかからない様、優しく折り畳んで保管することでパックラフトの寿命が大きく伸びます。

 

尚、携行時などの短時間であれば、しっかり折り畳んでベルトで締め込んでも問題ありません。
コンパクトに携行しましょう!

 


正しくメンテナンスした場合、10年近く使えるケースも多くなります。中には製造から20年経っても未だ現役で使えているものもあるそうです。

命に関わる道具なのであまり無理せず早めに買い替えることも重要ですが、愛艇は少しでも長く使いたいもの。
しっかりとメンテナンスを行い、末長くパックラフティングを楽しみたいものですね!

 

 


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ではまた。